日本の住宅において、屋根や外壁のメンテナンスはよく知られていますが、実は破風も重要なメンテナンスポイントです。
破風の劣化は、建物の寿命を縮め、思わぬ出費を招く可能性があります。
今回は、破風塗装の重要性から、具体的な塗装方法、費用を抑えるコツまで、分かりやすく解説します。
家の寿命を延ばし、費用を抑えるための知識を、ぜひこの機会に得てください。
破風塗装の重要性と劣化対策
破風とは何か・その役割と劣化によるリスク
破風とは、屋根の側面、特に切妻屋根や片流れ屋根の三角部分にある板のことです。
その役割は、雨風や直射日光から外壁を保護すること、そして建物の美観を保つことにあります。
破風が劣化すると、雨水が浸入しやすく、木材の腐食や外壁の損傷につながります。
また、見た目の悪化も招き、建物の価値を下げる原因にもなります。
材質は木材、金属、モルタルなど様々ですが、いずれも経年劣化の影響を受けやすく、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。
破風塗装が必要な理由・放置による危険性
破風塗装は、単なる美観維持のためだけではありません。
塗装によって、防水性を高め、木材の腐食や金属の錆びを防止することができます。
放置すると、雨漏り、シロアリ被害、建物の構造的な弱体化といった深刻な問題を引き起こす可能性があります。
特に、木材製の破風は腐食しやすく、放置すると交換が必要になるケースも少なくありません。
早めの塗装で、高額な修理費用を回避できる可能性が高いのです。
破風の材質と劣化しやすい原因
破風の材質は、木材、金属(主にガルバリウム鋼板)、モルタル、窯業系サイディングなどがあります。
木材は経年劣化による腐食、金属は錆び、モルタルはひび割れなどが劣化の主な原因となります。
また、紫外線や風雨、積雪なども劣化を促進する要因となります。
特に、南側に面した破風は紫外線の影響を受けやすく、劣化が早まります。
材質や設置場所によって劣化のスピードは異なるため、定期的な点検が重要です。

破風塗装の種類・費用と選び方
破風塗装の方法・再塗装・板金巻き・交換
破風の状態に応じて、最適な塗装方法を選ぶ必要があります。
軽度の劣化であれば、再塗装で十分です。
これは、既存の塗膜をきれいに研磨し、新しい塗料を塗る方法です。
しかし、塗膜の剥がれが激しい場合や、木材の腐食が進行している場合は、再塗装だけでは不十分です。
そのような場合は、ガルバリウム鋼板などの金属板で破風を覆う「板金巻き」が有効です。
最も劣化が激しい場合、破風自体を交換する必要があります。
交換には費用がかかりますが、長期間にわたる耐久性と安心を得られます。
各塗装方法の費用相場とメリット・デメリット比較
再塗装は最も費用が安く、㎡あたり800円~1500円程度が相場です。
しかし、耐久性は他の方法に比べて劣ります。
板金巻きは、㎡あたり2000円~4000円程度と高くなりますが、耐久性が高く、メンテナンス頻度を減らせます。
破風交換は、最も高額で、状況によりますが、1本あたり数万円~数十万円かかることもあります。
しかし、最も耐久性があり、建物の寿命を長く保つことができます。
それぞれのメリット・デメリットを比較し、予算と建物の状況に合わせて最適な方法を選択することが重要です。
外壁塗装との同時施工による費用削減効果
破風塗装は、高所作業となるため足場が必要となります。
外壁塗装と同時に行うことで、足場代を節約することができます。
別々に施工する場合、足場を2回組む必要があり、費用が大幅に増加します。
外壁塗装のタイミングに合わせて破風塗装も検討することで、コストを抑えられます。
工事期間も短縮できるため、生活への影響も最小限に抑えられます。

まとめ
破風塗装は、建物の寿命を延ばし、維持管理コストを抑える上で非常に重要なメンテナンスです。
劣化状態に応じて、再塗装、板金巻き、交換といった適切な方法を選択することが大切です。
外壁塗装との同時施工は費用削減に繋がり、長期的な視点での計画が立てやすくなります。