外壁塗装を検討する際に、塗料選びは重要な課題です。
数ある塗料の中でも、ウレタン塗料は価格の安さと豊富な種類から、選択肢の一つとして考えられるでしょう。
しかし、ウレタン塗料にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。
今回は、ウレタン塗料の特徴を詳しく解説し、外壁塗装でウレタン塗料を選ぶ際のメリットとデメリット、そして他の塗料との比較をご紹介します。
塗装工事の前に、ぜひ参考にしてください。
ウレタン塗料の特徴とは?種類や価格帯、耐用年数について
ウレタン塗料とは何か?その基礎知識
ウレタン塗料は、ポリウレタン樹脂を主成分とする塗料です。
ポリウレタン樹脂は、ポリオール成分とイソシアネート成分が反応して生成される化合物で、高い密着性と柔軟性を持ちます。
そのため、様々な素材への塗布が可能で、外壁塗装以外にも、家具や床のコーティングなど幅広い用途で使用されています。
ウレタン塗料は、水性タイプと油性タイプがあり、さらに1液型と2液型に分類されます。
水性タイプは環境に優しく臭いが少ない一方、耐久性がやや劣ります。
油性タイプは耐久性に優れますが、臭気が強く、取り扱いに注意が必要です。
1液型は手軽に扱えますが、耐久性は2液型に劣ります。
2液型は耐久性が高いですが、混合比率や作業性に注意が必要です。
ウレタン塗料の種類と価格帯
ウレタン塗料の種類は非常に豊富で、メーカーや用途によって様々なバリエーションがあります。
価格帯も幅広く、一般的に、アクリルウレタン塗料が最も安価で、高性能なウレタン塗料は高価になります。
例えば、日本ペイントの「ファインウレタンU100」や関西ペイントの「アレスエコレタンⅡ」などが一般的に流通している製品です。
これらの価格は、使用する量や施工面積によって変動しますが、㎡あたり1500円~2500円程度が目安となります。
ただし、これはあくまで参考価格であり、実際には施工業者や塗料の種類、施工内容によって大きく変動します。
高性能なウレタン塗料や特殊な機能を持つ塗料は、さらに高価になる可能性があります。
ウレタン塗料の耐用年数と塗り替え時期
ウレタン塗料の耐用年数は、使用する環境や塗料の種類、施工状況によって大きく異なりますが、一般的には5~10年程度と言われています。
これは、他の塗料と比較すると比較的短い期間です。
紫外線や雨風、温度変化などの影響を受けやすく、経年劣化によって塗膜が劣化し、ひび割れや色あせなどが発生する可能性があります。
塗り替え時期は、塗膜の劣化状況を確認し、必要に応じて判断する必要があります。
塗膜にひび割れや剥がれ、色あせなどが目立つようになったら、塗り替え時期のサインです。
また、チョーキング現象(塗膜表面が粉状になる現象)も、塗り替えの目安となります。

ウレタン塗料のメリット・デメリットと適した用途
ウレタン塗料のメリット
1: 価格が比較的安い:シリコン塗料やフッ素塗料と比較して、ウレタン塗料は価格が安価です。
予算を抑えたい場合に適しています。
2: 密着性が高い:ウレタン塗料は、下地への密着性に優れています。
ひび割れが発生しやすいモルタル壁などにも適しています。
3: 柔軟性がある:柔軟性があるため、外壁の伸縮によるひび割れを防ぎやすいです。
4: 光沢があり高級感のある仕上がり:美しい光沢があり、高級感のある仕上がりになります。
5: 種類が豊富:様々な色や機能を持つ製品が市場に存在します。
ウレタン塗料のデメリット
1: 耐久性が低い:シリコン塗料やフッ素塗料と比較して、耐久性が低く、塗り替え頻度が高くなります。
2: 紫外線に弱い:紫外線に弱いため、色あせや劣化が早く進みます。
3: 汚れやすい:汚れが付きやすく、清掃が困難な場合があります。
4: 湿度と気温に影響されやすい:湿度や気温が高いと、塗膜の性能が低下する可能性があります。
5: 扱いづらい:2液型のウレタン塗料は、混合比率や作業性に注意が必要です。
ウレタン塗料が適しているケース・そうでないケース
ウレタン塗料は、価格を抑えたい場合や、短期的な使用を想定している場合に適しています。
また、木部やひび割れしやすい箇所の塗装にも向いています。
一方、長期間の耐久性が必要な場合や、紫外線に強く、汚れにくい塗料が必要な場合は、シリコン塗料やフッ素塗料の方が適しています。
ウレタン塗料と他の塗料との比較
ウレタン塗料は、アクリル塗料、シリコン塗料、フッ素塗料など、他の外壁塗料と比較すると、価格と耐久性のバランスが特徴です。
アクリル塗料よりも耐久性があり、シリコン塗料やフッ素塗料よりも価格が安価です。
しかし、シリコン塗料やフッ素塗料と比べると、耐用年数は短く、塗り替え頻度が高くなります。
そのため、長期的なコストパフォーマンスを考えると、必ずしもウレタン塗料が最良の選択とは限りません。
それぞれの塗料のメリット・デメリットを比較検討し、家の状況や予算、ライフスタイルに合った塗料を選ぶことが重要です。

まとめ
この記事では、ウレタン塗料の特徴、メリット・デメリット、価格、耐用年数、そして他の塗料との比較について解説しました。
ウレタン塗料は価格が安価で種類も豊富というメリットがある一方、耐久性が低いというデメリットもあります。
そのため、外壁塗装でウレタン塗料を使用するかどうかは、家の状況や予算、そしてどれくらいの期間住み続けるかを考慮して判断する必要があります。