塩害地域とは?定義と地域差・対策を解説

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塩害地域とは?定義と地域差・対策を解説

塩害は、沿岸部だけでなく、意外な場所でも発生する深刻な問題です。
建物の劣化や機能低下を引き起こすため、その定義や地域的な違いを理解することは、適切な対策をおこなう上で非常に重要です。
今回は、塩害の定義から地域による影響の違い、そして具体的な対策の指針を解説します。

塩害とは何か メカニズムと影響

塩害の定義と発生メカニズム

塩害とは、空気中や土壌中の塩分が、建材や設備などに付着・浸透し、腐食や劣化を引き起こす現象です。
主な原因は、海風によって運ばれる塩分や、道路凍結防止剤として使用される塩化ナトリウムなどの塩分です。

塩分は金属を錆びさせたり、コンクリートを劣化させたりします。
特に、鉄筋コンクリート造の建物では、鉄筋の腐食がコンクリートのひび割れや剥離につながるため注意が必要です。

塩害による被害事例

塩害による被害は、建物の外壁や屋根、ベランダなどの金属部分の腐食、コンクリートのひび割れや剥離、太陽光発電パネルや蓄電池などの機器の故障など多岐に渡ります。
沿岸部では、波しぶきによる直接的な塩害も発生します。

また、内陸部でも、冬季の凍結防止剤散布が原因となる塩害が発生する可能性があります。
具体的な被害例としては、金属製の屋根や外壁のサビ、コンクリート構造物のひび割れ、太陽光パネル架台の腐食などが挙げられます。

様々な建材への影響

塩害は金属製の建材に大きな影響を与えます。
鉄、アルミ、ステンレスなど、多くの金属は塩分によって腐食し、強度が低下します。
コンクリートも塩害の影響を受けやすく、鉄筋の腐食がコンクリートの劣化を招きます。
木材は、塩分によって腐朽しやすくなります。

樹脂製の建材は金属に比べて塩害の影響を受けにくい傾向がありますが、種類によっては影響を受ける可能性もあります。

塩害地域定義と地域による塩害の程度の違い

海岸からの距離と塩害の関連性

一般的に、海岸からの距離が近いほど塩害の程度は高くなります。
海岸から200m~500m以内は「重塩害地域」、500m~2km以内は「塩害地域」と定義される場合が多いですが、地域や定義によって範囲は異なります。
風向きや地形の影響も大きく、海岸から離れていても塩害が発生する可能性があります。
7km以上離れると、一般的には塩害の影響は少なくなるといわれています。

重塩害地域と塩害地域の定義

重塩害地域と塩害地域の定義は、自治体や調査機関によって異なる場合があります。
明確な法的定義はなく、主に海岸からの距離や塩分濃度などを基に判断されます。
太陽光発電などの設置においては、メーカー独自の基準が適用されるケースも多く、設置可否の判断に影響を与えます。

地域による塩害の程度の違いと要因

塩害の程度は、海岸からの距離だけでなく、風向き、地形、降雨量、気温など様々な要因によって影響を受けます。
例えば、海風が吹きやすい地域や、降雨が少ない地域では塩害が発生しやすい傾向があります。

また、工業地帯など、空気中に塩分以外の腐食性物質が多い地域では、塩害の影響がより深刻になる可能性があります。

内陸部における塩害の可能性

内陸部でも、道路の凍結防止剤として散布される塩化ナトリウムが原因で塩害が発生することがあります。
特に、積雪が多い地域や、道路沿いの建物では注意が必要です。
塩分は飛散しやすく、予想以上に広い範囲に影響を与える可能性があるため、内陸部であっても塩害のリスクを考慮することが重要です。

まとめ

今回は、塩害の定義、メカニズム、影響、そして地域による違いについて解説しました。
塩害は、沿岸部だけでなく内陸部でも発生する可能性があり、建物の劣化や機能低下につながる深刻な問題です。
海岸からの距離や風向き、地形、凍結防止剤の使用状況などを考慮していき、適切な対策を講じる必要があります。

塩害対策には、定期的な洗浄、サビにくい建材の選定、適切な塗装などが挙げられます。
早期の発見と適切な対策が、建物の寿命を延ばし、経済的な損失を軽減することにつながります。
塩害に関する知識を深め、大切な建物を守るための適切な対策を講じましょう。

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