金属サイディングの塗装は、建物の美観を保ち、建材の寿命を延ばす上で重要なメンテナンスといえます。
今回は、金属サイディング塗装に必要な道具から、塗装手順、そして長持ちさせるためのコツまで、具体的な方法を解説します。
金属サイディングの塗装に必要な道具
必須の道具
金属サイディングの塗装には、ローラー、刷毛、ヘラ、バケツ、マスキングテープ、軍手、保護メガネ、防塵マスクといった基本的な道具が必要です。
ローラーは面積の広い部分の塗装に効率的で、刷毛は細かい部分の塗装や縁取りに適しています。
ヘラは塗料の均一な塗り広げや余剰塗料の除去に役立ちます。
また、作業効率を上げるために、塗装ローラー用のハンドルやペイントトレイがあると便利です。
さらに、塗料を混ぜるための攪拌棒もあると良いでしょう。
あると便利な道具
作業効率を高めるために、高圧洗浄機、ケレン棒、足場、スプレーガン、養生シートなどを用意しておくと便利です。
高圧洗浄機は下地処理の段階で汚れや旧塗膜を効率的に除去するのに役立ちます。
ケレン棒は旧塗膜の剥離作業をスムーズに行うために必要です。
足場は高所での作業の安全性を確保します。
スプレーガンは広い面積の塗装に適しており、ムラなく均一に塗布できます。
養生シートは塗装以外の部分を保護し、塗料の飛散を防ぎます。
加えて、塗料の飛散を防ぐための防護服も用意しておくと安心です。
道具を選ぶ上での注意点
道具を選ぶ際には、使用する塗料の種類や塗装面積、作業の難易度などを考慮する必要があります。
例えば、水性塗料を使用する場合は、ローラーや刷毛などの素材に適したものを選ぶ必要があります。
また、高所での作業を行う場合は、安全性を確保するための足場や安全帯などの安全対策を十分に行う必要があります。
さらに、使用する塗料の量に合わせて、適切なサイズのバケツやペイントトレイを選ぶことも重要です。
そして、作業の効率と安全性を考慮して、適切な道具を選択しましょう。

金属サイディング塗装の下準備はどうする?
高圧洗浄機で汚れを落とす
まず、高圧洗浄機を用いて、金属サイディングの表面に付着している汚れ、カビ、藻などを徹底的に洗い流します。
高圧洗浄機を使用する際には、適切なノズルと水圧を選択し、サイディングを傷つけないように注意が必要です。
洗浄後は、十分に乾燥させます。
乾燥が不十分なまま塗装を進めると、塗料の密着性が悪くなり、剥がれや浮きなどの原因となります。
そのため、天気の良い日を選んで作業するか、乾燥時間を十分に確保することが大切です。
ケレン作業で旧塗膜を除去
高圧洗浄機で汚れを落とした後、旧塗膜をケレン作業で除去します。
ケレン作業とは、旧塗膜をワイヤーブラシやスクレーパーなどで丁寧に剥がす作業です。
旧塗膜を完全に除去することで、新しい塗料との密着性を高め、塗装の耐久性を向上させることができます。
ケレン作業は時間と手間がかかりますが、塗装の仕上がりを左右する重要な工程なのです。
また、ケレン作業で発生する粉塵を吸い込まないように、防塵マスクを着用することも重要です。
サビ止め塗料を塗布する
ケレン作業が完了したら、サビ止め塗料を塗布します。
サビ止め塗料は、金属サイディングのサビを防ぎ、塗料の耐久性を高める役割を果たします。
サビ止め塗料は、金属の種類や状態に合わせて適切なものを選択する必要があります。
例えば、ガルバリウム鋼板であれば、ガルバリウム鋼板専用のサビ止め塗料を使用することが推奨されます。
さらに、サビ止め塗料を塗布する際は、薄く均一に塗布することが大切です。
マスキングテープで養生する
塗装する範囲以外の部分を保護するために、マスキングテープや養生シートで丁寧に養生します。
窓枠、ドア、雨どいなど、塗装したくない部分に塗料が付着しないように、しっかりとマスキングテープを貼ります。
養生を適切に行うことで、仕上がりの美観を向上させ、後処理の手間を軽減できます。
また、マスキングテープは、塗装後に剥がしやすいタイプを選ぶと便利です。

金属サイディングの塗装手順
下塗り塗装の注意点
下塗り塗装は、上塗り塗装の密着性を高める重要な工程です。
下塗り塗装を行う前に、下地処理を丁寧に施し、表面を綺麗に清掃しておく必要があります。
また、下塗り塗料は、上塗り塗料と相性の良いものを選択する必要があります。
下塗り塗料が乾燥するまで十分な時間を取り、乾燥不良による剥がれなどを防ぎます。
さらに、下塗り塗料の色によって、上塗り塗料の発色が変わる場合があるので注意が必要です。
上塗り塗装の注意点
上塗り塗装は、金属サイディングの外観を決定づける重要な工程です。
均一に塗布するよう心がけ、ムラなく仕上げることが重要です。
また、塗料の乾燥時間は、気温や湿度によって変化するため、天候に合わせた作業計画を立てる必要があります。
重ね塗りを行う場合は、下塗り塗料が完全に乾燥していることを確認してから行いましょう。
そして、一度に厚塗りせず、薄く複数回に分けて塗布することで、より綺麗に仕上がります。
乾燥時間の目安
塗料の種類や気温、湿度によって乾燥時間は異なりますが、通常、下塗り塗料は約6時間から12時間、上塗り塗料は約24時間から48時間程度です。
完全に乾燥するまで、雨や湿気から保護する必要があります。
そのため、乾燥時間を考慮して、作業スケジュールを立てることが重要です。
また、強風の日には、塗料が飛散しやすいため、塗装作業は避けるべきです。
まとめ
今回は、金属サイディング塗装に必要な道具や塗装の手順、塗料の選び方について詳しく解説しました。
下地処理の丁寧さや適切な塗料選びが、塗装の耐久性と仕上がりに大きく影響します。
また、定期的な点検と補修を行うことで、外壁の美観と建物の寿命を長く保つことが可能です。
金属サイディングの塗装を検討している方は、本記事を参考に、計画的に取り組んでみてはいかがでしょうか。