外壁の防水工事は、建物の寿命を大きく左右する重要な工事です。
適切な防水工事を行うことで、雨漏りや建物の劣化を防ぎ、快適な住環境を維持することができます。
しかし、防水工事の種類は多岐に渡り、それぞれにメリット・デメリットがあります。
そのため、どのような工法を選ぶべきか迷ってしまう方も多いでしょう。
今回は、外壁防水工事の種類、それぞれのメリット・デメリット、外壁材の種類に適した防水工事、そして費用の相場について解説します。
外壁の防水工事の種類
塗膜防水は手軽で安価な定番工法
塗膜防水は、液状の防水材を塗布して防水層を作る工法です。
比較的低コストで施工が容易なため、多くの建物で採用されています。
アクリル系やウレタン系など様々な種類があり、建物の状況や予算に合わせて選択できます。
また、施工方法は、まず下地処理を行い、その後防水材を数回に分けて丁寧に塗布していきます。
さらに、乾燥時間を十分に確保することが、塗膜の耐久性を高める上で重要となります。
しかし、耐久性は他の工法に比べて低いため、定期的な塗り替えが必要となる点に注意が必要です。
シート防水は耐久性が高い本格的な防水
シート防水は、防水シートを貼り付ける工法です。
塗膜防水に比べて耐久性が高く、長期間にわたって建物を雨漏りから守ります。
シートの種類も豊富で、建物の構造や用途に合わせて最適なものを選ぶことができます。
施工は、下地処理の後、シートを専用の接着剤や機械を使って貼り付けていきます。
さらに、シートの継ぎ目には、防水テープなどを用いて丁寧に処理を行い、雨水の浸入を防ぎます。
そのため、高い防水性能を期待できます。
通気工法は湿気を逃がし建物の寿命を延ばす
通気工法は、外壁と防水層の間に通気層を設ける工法です。
外壁に発生した湿気を外に逃がすことができるため、結露の発生を抑え、建物の寿命を延ばす効果があります。
施工は、外壁に下地材を施工し、その上に防水シート、通気層、仕上げ材を順に施工していきます。
また、通気層の適切な設計と施工が、効果を発揮する上で重要です。
一方で、高価な工法ではありますが、長期的な視点で見ればコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
シーリング防水は隙間を埋めて雨水の侵入を防ぐ
シーリング防水は、外壁の隙間をシーリング材で埋めて雨水の侵入を防ぐ工法です。
部分的な補修に最適で、大規模な工事を行う必要がありません。
施工は、まず隙間の汚れを丁寧に清掃し、その後シーリング材を充填していきます。
また、シーリング材の種類や施工方法によっては、耐久性に差が生じるため、適切な材料選びと丁寧な施工が求められます。
しかし、大規模な防水工事には不向きであり、あくまで部分的な補修として用いるのが一般的です。

それぞれの防水工事のメリット・デメリットは?
塗膜防水のメリットは低コスト・デメリットは低い耐久性
塗膜防水は、他の工法に比べて初期費用が低く抑えられるメリットがあります。
手軽に施工できるため、小規模な修繕にも適しています。
しかし、耐久性が低いため、数年おきに塗り替えが必要となり、長期的なコストは高くなる可能性があります。
そのため、頻繁なメンテナンスが必要となることを考慮し、予算計画を立てる必要があります。
シート防水のメリットは高耐久・デメリットは高コスト
シート防水は、塗膜防水と比較して耐久性が高く、長期間にわたって建物を保護することができます。
そのため、メンテナンスの手間を減らし、建物の寿命を延ばすことに繋がります。
ただし、初期費用が高く、施工にも専門的な知識と技術が必要となります。
したがって、長期的なコストパフォーマンスを重視する場合は、有効な選択肢となるでしょう。
通気工法のメリットは結露防止・デメリットは高価格
通気工法は、結露の発生を抑制し、建物の寿命を延ばす効果があります。
また、湿気による建材の劣化を防ぎ、建物の美観を保つことにも貢献します。
しかし、他の防水工法と比較して費用が高額となるため、予算に余裕のある場合に検討するのが良いでしょう。
とはいえ、長期的な視点で建物の維持管理を行う上で、有効な選択肢となります。
シーリング防水のメリットは部分補修に最適・デメリットは大規模防水には不向き
シーリング防水は、部分的な修繕に最適で、費用も比較的安価です。
手軽に施工できるため、小規模な劣化箇所の補修に適しています。
しかし、大規模な防水工事には不向きで、広範囲の防水には他の工法を選択する必要があるでしょう。
とはいえ、部分的な劣化を発見した際に、迅速な対応を可能にします。

まとめ
外壁防水工事には、塗膜防水、シート防水、通気工法、シーリング防水など、様々な種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
最適な工法は、建物の構造、外壁材の種類、予算、耐久性への要求などによって異なります。
この記事で紹介した情報を参考に、ご自身の状況に最適な工法を選択し、建物を長持ちさせるための適切な防水工事を行ってください。